※記事内に広告を含む場合があります 万年筆のブランド・メーカー 筆記具・印記具

モンブラン万年筆の型番の調べ方は?歴代モデルから偽物の見分け方

モンブラン万年筆の型番の調べ方は?歴代モデルから偽物の見分け方

お手元にある一本のモンブラン。その価値や背景を深く知りたいと思ったことはありませんか。

この記事では、モンブランの万年筆の型番の調べ方について、初心者の方でも分かりやすく解説します。

まず、そもそも型番を調べる方法は具体的にどこを見れば良いのでしょうか。また、モンブランの万年筆の特徴や、マイスターシュテックの種類にはどのようなものがあるのか、その魅力に迫ります。

さらに、モンブランの万年筆の歴代モデルを紐解きながら、ペン先に刻まれた585や、ブランドの象徴である最高級ペン4810とは何を意味するのかも明らかにします。

加えて、人気のモンブラン146と149はどっちがいいのか、それぞれの違いを比較し、書き味を左右する万年筆のペン先の太さ、特に一般的なEFとFの違いについても詳しく見ていきます。

万年筆だけでなく、モンブランのボールペンの型番についても触れるため、幅広く参考にしていただけるはずです。そして、高価な筆記具だからこそ避けたいのが偽物の存在です。

購入で失敗や後悔をしないために、信頼できるモンブランの偽物の見分け方のポイントまで、網羅的にご紹介します。

この記事のポイント

  • お手持ちのモンブランの型番を特定する具体的な手順
  • マイスターシュテュックなど歴代モデルごとの特徴と違い
  • ペン先の刻印や太さの意味と自分に合った選び方
  • 後悔しないための偽物の見分け方と購入時の注意点

モンブラン万年筆の型番の調べ方:基本編

モンブラン万年筆の型番の調べ方:基本編

ビジネスツールファイル・イメージ

モンブランの万年筆、その洗練されたデザインと滑らかな書き心地は、世界中の人々を魅了し続けています。

しかし、親から譲り受けたり、中古市場で偶然出会ったりした際に、「このモデルは一体何だろう?」「型番はどこに書いてあるの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。

特に年月を経たモデルの場合、情報が少なく特定が難しいことも少なくありません。

前半では、そうした疑問を解決するための第一歩として、「モンブラン万年筆の型番の調べ方」の基本を徹底的に解説します。まず、モンブランがどのようなブランドなのか、その歴史や万年筆ならではの特徴について触れていきます。

1906年にドイツ・ハンブルクで創業して以来、筆記具の最高峰として君臨し続ける理由や、ブランドの象徴であるキャップトップの「ホワイトスター」の由来についても理解を深めましょう。

次に、数あるコレクションの中でも特に有名な「マイスターシュテュック」のシリーズ展開や、時代を彩ってきた歴代モデルにはどのようなものがあるのかを紹介します。そして、型番特定の最も重要な手がかりとなる「刻印」の謎に迫ります。

ペン先に刻まれた「585」や「4810」といった数字が何を意味するのか、ご存知でしょうか。これらはそれぞれペン先に使われている金の純度(14金)や、ヨーロッパアルプスの最高峰モンブラン山の標高を示しており、モデルを特定する上で欠かせない情報です。

最後に、実際に万年筆のどの部分(キャップリング、クリップ、ペン先など)を確認すれば型番の手がかりが見つかるのかを写真付きで分かりやすく解説します。この基本編を読み終える頃には、お手持ちの万年筆への理解が深まり、その価値や背景を知るための確かな知識が身についているはずです。

モンブランの万年筆の特徴は?

モンブランの万年筆の特徴は?

ビジネスツールファイル・イメージ

モンブランの万年筆が世界中で愛され続ける理由は、その卓越した品質とブランド哲学にあります。まず結論として、モンブランの万年筆は「書く」という行為を特別な体験へと昇華させる芸術品であると言えます。

なぜなら、そこには100年以上にわたる歴史の中で培われた、妥協のないクラフトマンシップが息づいているからです。

1906年にドイツのハンブルクで創業したモンブランは、ヨーロッパ最高峰の山「モンブラン」をブランド名に冠し、その頂きを覆う雪を模した「ホワイトスター」をシンボルとしています。これは、常に最高の品質を目指すというブランドの姿勢を象徴するものです。

具体例を挙げると、モンブランの万年筆のボディには、「プレシャスレジン」と呼ばれる独自の高品質な樹脂がしばしば使用されます。この素材は、一般的なプラスチックとは一線を画す深い艶と、手に吸い付くような感触を持ち、長年の使用でも傷がつきにくい耐久性を誇ります。

また、ペン先は熟練の職人が100以上の工程を経て手作業で作り上げており、書き心地だけでなく、紙の上を走る際の微かな音にまでこだわって調整されているのです。

もちろん、長い歴史を持つブランドであるがゆえに、メンテナンスにはある程度の知識が求められる点は注意が必要です。しかし、それを補って余りあるほどの所有する喜びと、書くことの楽しみを与えてくれるのがモンブランの万年筆の大きな特徴なのです。

歴代モデルを知る

モンブラン万年筆の歴代モデルを知る

ビジネスツールファイル・イメージ

モンブランの万年筆の型番を調べる上で、歴代のモデルについて知ることは非常に有効です。各時代に登場したモデルの背景や特徴を理解することで、お手持ちの一本が持つ価値や物語をより深く感じられるようになります。

モンブランには、定番として長く愛されるコレクションから、特定のテーマを記念した限定モデルまで、多岐にわたるラインナップが存在します。この多様性が、モンブランの豊かな歴史を物語っているのです。

言うまでもなく、最も有名なのは1924年に誕生した「マイスターシュテュック」コレクションです。

これはドイツ語で「傑作」を意味し、その名の通り万年筆の歴史における一つの到達点を示しました。このコレクションの中には、サイズや仕様の違いによって「149」や「146」といった番号が付けられたモデルが存在し、現在に至るまでブランドの中核を担っています。

一方で、モンブランは定番モデル以外にも、コレクターズアイテムとして高い人気を誇る限定品を数多く発表してきました。例えば、偉大な作家の功績を称える「作家シリーズ(Writers Edition)」や、芸術文化の発展に貢献した人物に敬意を表す「パトロンシリーズ(Patron of Art Edition)」などです。これらのモデルは、その年限りの生産であるため希少価値が高く、特定の人物や作品をモチーフにしたユニークなデザインが施されています。

このように、モンブランの万年筆は単なる筆記具ではなく、それぞれのモデルに独自のストーリーが込められています。自分の万年筆がどの時代の、どのシリーズに属するのかを知ることは、型番調査の楽しみを一層深めてくれるに違いありません。

マイスターシュテックの種類は?

モンブランの万年筆マイスターシュテックの種類は?

ビジネスツールファイル・イメージ

モンブランを代表するコレクション「マイスターシュテュック」には、主にサイズと機能によって分類されるいくつかの主要な種類があります。自分に合った一本を選ぶ、あるいは所有しているモデルを特定するためには、これらの違いを把握しておくことが大切です。

マイスターシュテュックの万年筆は、主に3桁の数字でモデルが示されており、この数字が大きいほど、一般的にペンのサイズも大きくなる傾向にあります

ここでは、代表的な4つのモデルを挙げ、その特徴を解説します。

マイスターシュテュック 149

モンブラン万年筆マイスターシュテュック 149

画像引用:MONTBLANC公式サイト

「149」は、マイスターシュテュックシリーズにおけるフラッグシップモデルです。

太い軸と大きなペン先を持ち、圧倒的な存在感を放ちます。その堂々たる佇まいから、しばしば「万年筆の王様」と称され、各国の首脳が調印式で使用するなど、歴史的な場面にも登場してきました。

インク補充は胴軸に直接インクを吸入する「ピストン吸入式」のみで、本格的な万年筆の醍醐味を味わえます。たっぷりとインクを蓄えられるため、長文の筆記にも適しています。ただし、その大きさから手の小さい方には扱いにくく感じられるかもしれません。

マイスターシュテュック 146(ル・グラン)

「146」は、「149」と並んで人気の高い定番モデルで、「ル・グラン」という名称でも知られています。「149」より一回り小さく、重さも軽くなるため、重厚感と実用性のバランスが非常に優れています。

日常的な筆記からビジネスシーンでの使用まで、幅広い用途に対応できる万能性が魅力です。こちらもインク補充はピストン吸入式が基本となります。

マイスターシュテュック 145(クラシック)

「145」は、「クラシック」という名で呼ばれ、より細身で携帯性に優れたモデルです。このモデルの大きな特徴は、インクの補充方法にあります。インクボトルから直接吸入するための「コンバーター」と、手軽に交換できる「インクカートリッジ」の両方が使える「両用式」を採用しているのです。そのため、万年筆初心者の方でも気軽に使い始めることができます。

マイスターシュテュック 114(モーツァルト)

「114」は「モーツァルト」とも呼ばれ、マイスターシュテュックの中で最もコンパクトなモデルです。手帳に挟んで持ち運ぶのに最適なサイズで、特に女性からの人気が高いです。インク補充はカートリッジ式専用となります。

これらの違いを理解することで、自分の使い方や好みに最適なマイスターシュテュックを見つける手助けになるでしょう。

ペン先の刻印、モンブラン万年筆585の意味は?

ペン先の刻印、モンブラン万年筆585の意味は?

ビジネスツールファイル・イメージ

モンブランの万年筆のペン先をよく見ると、装飾的な模様と共にいくつかの数字が刻まれていることに気づきます。特に「585」という数字は多くのモデルで見られ、これは万年筆の品質を示す重要な情報です。

この「585」という刻印は、ペン先の素材である金の純度を表しています。具体的には、金の含有率が58.5%であることを示しており、これは宝飾品の世界で「14金(K14)」と呼ばれるものと同じです。

なぜ純金(24金)ではなく、他の金属を混ぜた合金を使用するのでしょうか。その理由は、万年筆のペン先に求められる独特の性質にあります。純金は非常に柔らかく、筆圧ですぐに変形してしまいます。そこで、耐久性を高め、同時に金特有のしなやかで滑らかな書き心地を生み出すために、他の金属を混ぜ合わせた14金や18金が理想的な素材として用いられるのです。モンブランは、この品質の高い金素材をペン先に採用することで、唯一無二の書き味を実現しています。

ちなみに、モデルによっては「750」という刻印が見られることもあります。これは金の含有率が75.0%であることを意味し、いわゆる「18金(K18)」に相当します。一般的に「149」のようなハイエンドモデルに採用されることが多く、より柔らかく、インクの流量が豊かな書き味を持つ傾向があります。

したがって、ペン先に刻まれた「585」や「750」という数字は、単なる識別番号ではなく、その万年筆の格や書き味の特性を示す、品質の証と言えるのです。

型番を調べる方法は?具体的にどこを見ればいい?

モンブラン万年筆の型番を調べる方法は?具体的にどこを見ればいい?

ビジネスツールファイル・イメージ

お手持ちのモンブラン万年筆の正確な型番を調べるには、本体のいくつかの箇所を注意深く観察する必要があります。多くの場合、型番やモデルを特定するための手がかりとなる刻印が、万年筆の様々な部分に施されています。

主に確認すべきなのは、「キャップリング」「クリップ」「ペン先」の3つのポイントです。

キャップリングの刻印

画像引用:MONTBLANC公式サイト

まず、キャップの中央部分にあるリング(三連リング)を確認してください。マイスターシュテュックシリーズの多くには、ここに「MONTBLANC - MEISTERSTÜCK」といったモデル名が刻まれています。

年代やモデルによっては、「No.146」や「No.149」のように、型番そのものが刻印されている場合もあります。彫りの深さやフォントも、年代を特定するヒントになることがあります。

クリップの刻印

次に、ポケットなどに挿すためのクリップ部分です。クリップを固定しているリング部分には、個体を識別するためのシリアルナンバーが刻印されていることが一般的です(主に1991年以降のモデル)。

また、クリップの裏側にも「Pix®」や「Made in Germany」といった刻印が見られることがあります。これらの刻印の有無や種類も、製造年代を推測する上で重要な情報源となります。

ペン先の刻印

前述の通り、ペン先には金の純度を示す「585」や「750」、モンブランの象徴である「4810」などが刻まれています。これに加えて、ペン先のデザイン自体が年代によって異なるため、比較することでモデルを絞り込むことが可能です。

例えば、1980年代のペン先は金一色のモノカラーですが、1990年代以降の現行品は中央がロジウムコートされたバイカラー(2色)のデザインになっています。

これらの手がかりを総合的に集め、モンブランの公式サイトや愛好家のブログ、中古品販売サイトなどの情報と照らし合わせることで、型番の特定に繋がります。もし自分で判断するのが難しい場合は、モンブランの正規販売店や筆記具専門店に相談してみるのも一つの方法です。

モンブラン万年筆の4810とは?

モンブラン万年筆の4810とは?

ビジネスツールファイル・イメージ

モンブランの万年筆、特にその代表作であるマイスターシュテュックのペン先をよく見ると、美しい模様と共に「4810」という数字が刻まれていることに気づくでしょう。この数字は、単なるデザインや型番ではなく、モンブランというブランドの魂とも言える深い意味を持っています。

この4810という数字は、ヨーロッパアルプスの最高峰であるモンブラン山の標高、4810メートルを指します。

モンブランの創業者たちは、自社が作り出す筆記具が品質、技術、デザインの全てにおいて「最高峰」であることを目指しました。その高い志と誇りを、ブランド名そのものと、この象徴的な数字に込めたのです。

具体的には、キャップの先端にある六角形の白いシンボル「ホワイトスター」が、モンブランの山頂を覆う万年雪を表しているのと対になる存在です。ホワイトスターが視覚的なシンボルであるならば、ペン先に刻まれた4810は、その品質を保証する内面的な誇りの証と言えるかもしれません。

このように、4810の刻印を持つ万年筆は、モンブランの哲学とクラフトマンシップを正統に受け継いだ、最高品質の製品であることを示しています。

モンブラン万年筆の型番の調べ方:応用編

モンブラン万年筆の型番の調べ方:応用編

ビジネスツールファイル・イメージ

モンブラン万年筆の基本的な知識と型番の調べ方がわかったところで、後半ではさらに一歩踏み込んだ「応用編」として、より具体的なモデル選びや購入時に役立つ実践的な情報をお届けします。

基本編でご自身の万年筆のおおよその見当がついた方も、これから新しい一本の購入を検討している方も、ぜひ参考にしてください。

まず取り上げるのは、マイスターシュテュックシリーズの中でも特に人気の高い「146」と「149」の比較です。同じシリーズでありながら、サイズ、重量、ペン先の素材、そして価格も異なります。

どちらがよりご自身の筆記スタイルや用途に適しているのか、具体的な違いを比較しながら、モデル選びの勘所を解説します。一生ものとも言える万年筆だからこそ、自分にとって最適な一本を見極めることが重要です。

次に、書き心地を決定づける「ペン先の太さ」について深掘りします。手帳への細かい書き込みに向く極細の「EF」と、一般的な筆記に適した細字の「F」では、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴を理解し、自分の用途に合ったペン先を選ぶためのポイントをご紹介します。

そして、応用編の締めくくりとして、モンブランのような高級筆記具には避けて通れない「偽物」の問題に切り込みます。特にフリマアプリやネットオークションでの購入を考えている方は必見です。

本物と精巧な偽物を見分けるための具体的なチェックポイント、例えばクリップリングに刻まれたシリアルナンバーのフォントや、三連リングの刻印の深さ、ホワイトスターの仕上がりなど、細部にわたる真贋の見極め方を詳しく解説します。

この応用編を通じて、後悔のない万年筆選びと、安心してお使いいただくための知識を身につけていきましょう。

人気のモンブラン146と149はどっちがいい?

人気のモンブラン万年筆の型番146と149はどっちがいい?

ビジネスツールファイル・イメージ

モンブランのマイスターシュテュックを選ぶ際に、多くの方が比較検討するのが「146」と「149」という2つのモデルです。どちらもブランドを代表する名品ですが、それぞれに異なる特徴があり、どちらが良いかは使用者の好みや用途によって大きく変わります。

両者の最も大きな違いは、そのサイズと重量感にあります。以下の表で具体的な違いを確認してみましょう。

項目マイスターシュテュック 146(ル・グラン)マイスターシュテュック 149
全長(収納時)約146mm約149mm
胴軸径約13mm約15mm
重量約26g約32g
ペン先14金(585)が主流18金(750)
インク方式ピストン吸入式ピストン吸入式
印象・価格帯実用的・バランス型・比較的手頃威風堂々・フラッグシップ・高価
おすすめの用途日常使い、メモ、持ち運びデスクでの長文筆記、署名、書斎の象徴

この表から分かるように、「149」はあらゆる面で大きく、重く、まさにフラッグシップと呼ぶにふさわしい威厳を備えています。

大きな18金のペン先は非常に滑らかで、ゆったりとした書き心地を提供してくれます。デスクに座ってじっくりと文章を綴るようなシーンに最適な一本です。一方で、その大きさゆえに携帯性には劣り、手の小さな方には持て余してしまう可能性があります。

対して「146」は、「149」の風格を受け継ぎつつ、一回りコンパクトに設計されています。これにより、日常的な筆記やビジネスシーンでのメモ取りなど、より幅広いシチュエーションで活躍できる実用性を手に入れています。

重量バランスにも優れており、長時間の筆記でも疲れにくいと感じる方が多いようです。価格面でも「149」よりは手に入れやすく、初めての本格的なモンブランとしても推薦できます。

以上のことから、威厳と最高の書き味を求めるなら「149」、実用性とバランスを重視するなら「146」が有力な選択肢になると考えられます。どちらを選ぶにせよ、後悔のないように、できれば一度実物を手に取って、その感触を確かめてみることをお勧めします。

ペン先太さの選び方は?

モンブラン万年筆ペン先太さの選び方は?

ビジネスツールファイル・イメージ

万年筆の書き味を決定づける最も重要な要素が、ペン先の太さです。モンブランでは、アルファベットの記号で様々な太さが用意されており、自分の筆記スタイルや主な用途に合わせて選ぶことが、満足のいく万年筆ライフを送るための鍵となります。

ペン先の太さは、主にインクで描かれる線の幅を指します。細いペン先は小さな文字を書くのに適しており、太いペン先はインクの濃淡を楽しみながら、おおらかな文字を書くのに向いています。

モンブランで一般的に用意されている主なペン先の種類と特徴は以下の通りです。

  • EF(極細字 / Extra Fine): 最も細い線が書けるペン先です。手帳やノートに細かい文字をびっしりと書き込むような用途に最適です。ただし、ペン先が硬く、カリカリとした書き味に感じられることがあります。
  • F(細字 / Fine): 日本語の筆記に最も標準的で、人気のある太さです。ノートや手紙、書類へのサインなど、幅広い用途にバランス良く対応できます。初めてモンブランを購入する方で、太さに迷った場合はまずFを選ぶと失敗が少ないでしょう。
  • M(中字 / Medium): Fよりも滑らかで、インクの流量も豊かになります。アルファベットを書くのに適した太さで、署名や宛名書きなど、文字をはっきりと見せたい場合に力を発揮します。日本語を書くには、少し太すぎると感じる方もいるかもしれません。
  • B(太字 / Broad): かなり太い線が書けるペン先です。インクの濃淡(シェーディング)が最も美しく表現され、万年筆ならではの味わいを存分に楽しめます。主にサインやイラスト、文字をデザインとして楽しむような使い方が中心となります。

これらの他に、さらに太いBB(極太字)や、ペン先を斜めにカットしたOM(中字・斜め)など、特殊なペン先も存在します。

ペン先の選び方で注意したいのは、同じ記号でもブランドやモデルによって実際の線の太さが微妙に異なるという点です。

一般的に、海外ブランドであるモンブランのペン先は、日本のブランドの同じ表記のペン先よりも一段階太い傾向があります。ご自身の理想の書き味を追求するためには、これらの特徴を理解した上で慎重に選ぶことが大切です。

ペン先のEFとFの違いは?

モンブラン万年筆のペン先のEFとFの違いは?

ビジネスツールファイル・イメージ

モンブランのペン先を選ぶ際、特に多くの方が悩むのが「EF(極細字)」と「F(細字)」の違いです。どちらも細かい文字を書くのに適したペン先ですが、その書き味や得意な用途には明確な差が存在します。

結論から言うと、手帳など極めて小さなスペースに几帳面に書き込みたいならEF、ノートや手紙など汎用性を重視するならFが適していると考えられます。

その理由は、線の太さがもたらす書き味と、紙との相性の違いにあります。

EF(極細字)の特性

EFは、その名の通り非常に細い線を描くことができます。システム手帳の小さなマス目や、辞書の行間に注釈を入れるといった、精密な筆記が求められる場面で真価を発揮します。

一方で、デメリットも存在します。ペン先が細く尖っているため、筆記感は硬質で「カリカリ」とした感触になりがちです。また、紙の繊維にペン先が引っかかりやすいと感じることもあります。インクの流れも絞られているため、万年筆特有のインクの濃淡は出にくくなります。

F(細字)の特性

Fは、EFよりは太いものの、日本語の「とめ・はね・はらい」を美しく表現するのに十分な細さを持っています。そのため、学習や仕事、プライベートの手紙まで、あらゆるシーンで快適に使える万能性が魅力です。

EFに比べてペンポイントに丸みがあるため、書き味はより滑らかになります。インクフローも安定しており、筆圧をかけずともスラスラと文字を書くことができます。多くの方が「万年筆らしい書きやすさ」を感じられるのは、このFからと言えるかもしれません。

どちらを選ぶかは、最終的には個人の好みと用途によります。

もしあなたが、ボールペンのような精密な筆記感を万年筆にも求めるのであればEFが、万年筆ならではの滑らかな書き心地と汎用性を求めるのであればFが、より満足度の高い選択となるでしょう。

偽物見分け方のポイントは?

モンブラン万年筆の偽物見分け方のポイントは?

ビジネスツールファイル・イメージ

モンブランはその高い人気とブランド価値から、残念ながら非常に多くの偽物(コピー品)が出回っています。特に個人間取引が可能なフリマアプリやネットオークションでは、精巧な偽物が本物として販売されているケースも少なくありません。

高価な買い物で後悔しないために、偽物を見分けるための確実なポイントをいくつか押さえておく必要があります。

シリアルナンバーと刻印のフォント

まず確認すべきは、クリップの付け根のリングに刻印されたシリアルナンバーです。本物のモンブランは、1991年頃からこのシリアルナンバーが刻印されています。そして、そのフォントに特徴があります。

本物は、ライカのカメラの刻印にも似た、角張った独特の書体が使われていることが多いです。偽物は、このフォントが一般的な丸ゴシック体であったり、彫りが浅く不鮮明であったりします。また、「GERMANY」の刻印の「A」の文字の上部が平らになっているのも、近年のモデルの真贋判定のポイントになります。

クリップ裏の「Pix®」刻印

これも比較的新しいモデルに適用されるポイントですが、クリップの裏側を覗き込むと、本物には「Pix®」という小さな刻印が隠されています。これはモンブランが商標を持つ偽造防止技術の一つで、偽物にはこの刻印がないか、あっても作りが非常に雑な場合がほとんどです。

ホワイトスターの仕上がり

キャップの天冠に輝くモンブランの象徴、ホワイトスターも重要なチェックポイントです。本物は、白い樹脂が黒い土台に隙間なく、そして滑らかに埋め込まれており、輪郭がシャープです。一方、偽物は白い部分の輪郭が滲んでいたり、角が丸まらずに尖っていたり、あるいは接着剤がはみ出しているなど、細部の仕上げが甘い傾向にあります。

三連リングと全体の質感

マイスターシュテュックのキャップ中央にある三連リングの刻印も確認しましょう。

本物は彫りが深く、文字がくっきりと浮かび上がっています。偽物は彫りが浅く、文字が潰れ気味に見えることがあります。加えて、ペン全体の樹脂(プレシャスレジン)の艶や、金属パーツのメッキの質なども、本物は深みと高級感がありますが、偽物はどこか安っぽく見えることが多いです。

これらのポイントを複数組み合わせることで、偽物を見抜ける確率は格段に上がります。少しでも怪しいと感じた場合は、安易に購入せず、信頼できる正規販売店での購入を検討することが最も確実な方法です。

モンブラン万年筆の型番の調べ方についてのまとめ

この記事のまとめ

  • モンブランの型番はキャップリング、クリップ、ペン先に手がかりがある
  • マイスターシュテュックは「傑作」を意味する代表的コレクション
  • ペン先の「585」は14金、「750」は18金の意味
  • ペン先の「4810」はモンブラン山の標高でブランドの象徴
  • 歴代モデルには作家シリーズなどの限定品も多数存在する
  • マイスターシュテュックは149、146、145などサイズ別に展開
  • 149は威厳のあるフラッグシップモデル
  • 146は実用性と風格のバランスが取れた人気モデル
  • 145はカートリッジも使える両用式で初心者にもおすすめ
  • ペン先の太さはEF(極細字)、F(細字)、M(中字)などが基本
  • 手帳にはEF、汎用性ならFが一般的に推奨される
  • 偽物はシリアルナンバーのフォントや刻印の浅さで判別可能
  • クリップ裏の「Pix®」刻印も真贋を見分けるポイント
  • ホワイトスターの仕上がりの甘さも偽物の特徴
  • 迷った際は正規販売店や専門店に相談するのが最も確実

この記事では、モンブラン万年筆の型番を調べるための様々な方法について解説を進めてきました。お手持ちの万年筆の素性を知るためには、まず本体を注意深く観察することが第一歩です。

キャップのリングやクリップ、そしてペン先に刻まれた文字や数字には、モデルを特定するための重要な手がかりが隠されています。

例えば、ペン先の「585」という数字は14金製であることを示しており、ブランドの象徴である「4810」は最高品質の証です。これらの刻印の意味を理解するだけで、万年筆への見方が変わるでしょう。

さらに、代表的なマイスターシュテュックシリーズには、「149」や「146」といったサイズや特徴の異なるモデルが存在します。それぞれの違いを知ることで、ご自身の用途や好みに合った一本を選ぶ際の助けになります。

また、ペン先の太さ選びや、残念ながら市場に存在する偽物を見分けるポイントも、万年筆と長く付き合っていく上では欠かせない知識です。この記事でご紹介した基本的な調べ方から応用的な知識までを総合的に活用し、あなたの大切な一本への理解を深めていただければ幸いです。

-万年筆のブランド・メーカー, 筆記具・印記具